前回の年金の記事で書いた通り、将来は手取りの35%の年金を貰える日が来るかもしれない。と日本政府が言っていたので、35%でも安心して老後を暮らせるにはどの程度「貯金」すればよいか計算してみました。
政府のデータによると、2014年の平均手取り収入が34.8万/月です。現実に即していない事を承知で、シンプルに考えることとします。
現時点で支出が手取りの8割の生活レベルを維持し、残りを貯金という架空の人物で考えて見ます。2014年の現時点で2割を貯金しましょうとよく見かけるので、しっかりものの部類に入るでしょう。
物価が上昇しない場合の試算
ケース1:物価上昇0%,賃金上昇0%,金利0% 定年から年金受給まで働かない。
結果1:70歳で貯金が底を尽く。
ケース2:物価上昇0%,賃金上昇0%,金利0% 定年から年金受給まで6割の給料収入で働く。
結果2:77歳で貯金が底を尽く。
30年間、物価の上昇が0%というありえない経済状況下にもかかわらず、資産が尽きるのは早く、平均寿命にも届きませんでした。よく老後には3000万円必要だと言われていますが、年金35%の未来では2割を貯金していても到底足りません。老後の生活レベルを相当下げても生きていくのは厳しいでしょう。
ケース3:物価上昇0%,賃金上昇0%,金利0% 定年から年金受給まで6割の給料収入。
貯金2割→3割。
結果3:90歳で貯金が底を尽きる。
これくらいあれば、さらに生活を切り詰めて貯金3割くらいで一生を過ごせば、生活レベルを落とさずにすごせるようです。それでも突然の出費には耐えられそうにないです。
物価が上がらない世界は、ありえません。物価が上がるとどうなるのでしょう。
物価が上昇した時の試算
ケース4:物価上昇1%,賃金上昇1%,金利0% 定年から年金受給まで6割の給料収入。
結果4:74歳で貯金が底を尽く。
物価が上がる世界では、物価上昇よりも金利が低いと実質的なお金の価値が下がるので、実質マイナス金利になっています。金利上昇が無い世界よりも3歳若い74歳で貯金が底をついてしまいました。
ケース5:物価上昇1%,賃金上昇0.5%,金利0% 定年から年金受給まで6割の給料収入。
結果5:69歳で貯金が底を尽く。
現在の日本のように、物価は上昇すれど、賃金上がらずのケースです(T_T)。生活に余裕がなくなっても、生活レベルを落とさないと支払いだけが上昇して貯金が出来ないので、金利上昇が無い世界よりも8年若い69歳で貯金が底をついてしまいました。
ケース6:物価上昇1%,賃金上昇0.5%,金利0% 定年から年金受給まで6割の給料収入。
貯金2割→4割。
結果6:87歳で貯金が底を尽く。
何とか生きられそうですが、手取りの4割も貯金できません・・・。
貯金はどの位必要なのか
物価が上昇しなければ、4000万程度が必要。上昇すれば+αが必要で毎年1%の物価上昇で5000万円程度が必要。という結果となりました。一方で、手取りの3割4割当たり前という貯金をする必要があり、単なる貯金だけでは辛そうな結果となりました。
退職金も無ければ、ライフイベント(結婚式、葬式代、リフォーム、子供の学費、引越し・・・)も無いシンプルな試算ですが、相当ヤバイ結果となりました。全然安心して暮らせません。平均な人で試算したのにこのザマです。国民皆中流の未来は、貧乏老人の多い超高齢化社会がまっているようです。
物価上昇よりも低い金利=マイナス金利
国は年金を破綻させないために、マクロ経済スライドさせたいので、物価をあの手この手で上げてくるでしょう。デフレで超低金利な世界に慣れていると忘れそうになりますが、物価が上がったときに低金利な普通預金することは実質マイナス金利となります。預けると減る所にお金を投資しているという事です。物価が上昇しているのに低金利の預金に預けていると非常に苦しい未来が待っています。
物価上昇に備えた戦略が必要になってきますが、家さえ買えば資産価値は上がる、保全される時代ではありません。経済発展中のバブル時代とは異なった戦略が必要でしょう。